亜墨利加一条写

亜墨利加一条写031
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-031)

売初主不存候得共常々太もの類売
捌候ものゝ噂同日彼等至而気荒して
戸蔀締を付候族おいてハ右之
締を取自儘之所業警衛之御役人
又者町内之締方抔茂何共致し方
無之当惑いたし候万一彼等さからへ
候而者争之端と相成候も難斗候哉

乍去何事茂無之元舟罷帰
廿六日上陸之人数廿五日同様尤陸上
節者町内々鉄棒を曳候得夫々
戸締を付婦人子供等隠し置申候
得共裏町住居取上婆々有之右之
もの宅ヘ戸締ヲ踏破入込候其節
右之婆々娘孫と彼等か眼に掛候由

亜墨利加一条写032
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-032)

而驚入北村様沖之口御役所相成
右之もの宅おいて茂何事無之候得共
次第彼等か通辞ヘ申談候所国方
之制度等有之候由其節彼等弐人
両三人気荒もの有之残リ
上陸之ものハ市中俳徊致し又者買
もの致し候

廿七日上陸前同様買もの之義ハ不相替
気荒もの見得す警固之御役人様并
町内安堵いたし候上陸之刻限明六ツ時
半頃戻七ツ半頃
廿八日上陸之人数不足小舟修嗿嗷
退帆買ものハ前に等し
廿三四日頃より実行寺ヘ上陸之もの両三人

亜墨利加一条写033
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-033)

有之此もの等絵図面方見得たり
都而絵図面取候者鏡立候得ハ者其鏡
絵図面人物不拘鏡に其儘相移
其場より鏡取候而も移候もの鏡より不取
候由若哉魔術かと之市中之噂
人物被移候御方御城下御役人両三人
御当所御役人壱両人山之上町三〼

上田屋稲蔵娘壱人小住と申茶屋ノ婦人
壱人同職∧上 1ノ婦人壱人都合女三人
外ニ被移候もの有之候由ニ而候得共
名前不存右図面方之もの退帆
二三日前より実行寺より引取右寺ヘ
返礼有之由ニ候得共品ハ不存
同寺ニ有之候火桐之皿無心いたし持参

亜墨利加一条写034
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-034)

廿九日上陸人数沢山店方より買もの
相応品もの寔塗もの 蒔絵之重箱
墨 砥石 子供之日傘 瀬戸もの類
秩父白絹之類 薩摩芋 梨子 栗
橙之類 煙草入 鶏■ 2 木魚 花生
津軽鉢飴 絵本類 膳椀 佐渡箪笥
縮緬望候得共不売 子供太皷 粗印

アメリカ人より進上品実行寺ヘ木綿六反
蝋燭廿丁 瓶入茶壱 女とも者瓶入之
花の露壱ツ宛以上三人此花の露大人
弐合入程之品三〼子供者夫より小く何れ之
品茂御上様差上相成同寺ヘ上陸中
扱人松山仲次郎様
初発より万事応接方代嶋様蛯子次郎様

亜墨利加一条写035
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-035)

アメリカ洲海岸惣大将
     ヘロリ
和蘭通辞名
     ホルテメン
通辞名
     ウリヤムス
広東人
     羅 森シン
アメリカ洲ベンデー此もの万事行届キ

大将ベロリ山田屋寿兵衛宅ニ而買もの
是ハ上品もの 蒔絵之重箱 同印籠
金襴之類 扨外いろゝ有之候得共
筆に不及
御当君様御献上有之趣候得共
品もの不存 外御家老様 遠藤様
関央様 石塚官蔵様 工藤茂五郎様

亜墨利加一条写036
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-036)

右御歴々之様彼等より献上品粗寔に
剣付鉄砲 砂沙体之品 瓶入之酒
茶 剣 外有之か者存不申候
晦日上陸之人数前日より不足候間
彼等茂段々町なれ騒々鋪いたし
方無之市中警固方順し
日々穏相成候

     触書
此度渡来之亜墨利加船内海致退帆候然所
右滞船中彼是自儘之所業候由異外之兵端
を開候義も難斗候付夫々御固被 仰付候得共
船軍之御備向茂未御整不相成折柄無余義
平穏之御処置被成置彼方志願之内漂民撫恤
并航海来往之砌薪水食料石炭等舟中欠乏
之品々被下度との義御聞届相成候所場所御取極

亜墨利加一条写037
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-037)

無之候得者何国之浦方茂勝手次第渡来不取
付豆州下田湊松前之箱館おいて被下候積
候当今不容易御時節付兼而被 仰出有之
候通質素節倹を相守此上水陸之軍事一際
相励若非常之義茂有之候ハゝ速本邦之
御武威相立候之様可被心懸候右之通早々可被
相触候寅四月右之通被仰出間此段相触候
是ハ市中ヘ不触

五月朔日上陸三四拾人有之候得共平穏
五月二日上陸同人数位買もの等いたし
〃三日前日同前四日同断
先月廿ニ日より此四日迄アメリカ人両三人位
宛赤川上山鍛冶村辺罷出村方
一統誠当惑いたし候然共乱妨
鋪義毛頭無之其頃大野辺俳徊
いたし度趣アメリカ度趣アメリカ被申候趣ニ而同村

亜墨利加一条写038
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-038)

心配いたし箱館表より引越之方々隠場
抔拵候由文月辺有川村網引之
もの共罷出候付川伝ヘニ彼等参
と之噂而隠場心配いたし候趣右
アメリカ付箱館付在々六場所
迄大騒いたし候向後者貧乏神より
大禁物候

〃四日御当君様より彼等ニ被下もの
有之候趣品ハ不存
〃五日朝ニシタラ ハンテリヤ両艘
退舟上陸不足
同日御公儀様御役人茂辺地村より
当地へ四ツ頃御着御名前左ニ
御支配勘定        御徒士目付
 安間純之助様       平山鎌次郎様
  上下七人 御宿伊源    上下九人宿八幡

亜墨利加一条写039
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-039)

御勘定下役        御小人目付
 吉見鍵之丞様       吉岡元平様
  上下三人御宿猿礼     上下三人御宿村林
蘭学者
 武田斐三郎様御宿∧十 3
  上下四人
外ニ御城下御役人
 北見伝次様御付添
  上下五人
同日夜鉄炮筒音に高し夜明之

鉄炮ハ格別にあら寸
〃六日御公儀様御役人不残御当所
御役人付添ベロリ之乗舟鮑丹 4
応接八ツ時二分ニ罷出暮六ツ頃
沖之口ヘ罷帰其時ベロリより当所
橋舟水主之ものヘパン申シトキ躰
之もの六叺ブタ躰積ツケ候樽もの弐丁

亜墨利加一条写040
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-040)

太義料に参候得共不残御引上
〃七日大将ベロリ沖ノ口上陸いたし
夫より山田屋寿兵衛宅音楽有之
候趣付御公儀様御役人御城下御役人
御当所御役人夫々御役筋而右之
山田ヘ朝五ツ頃より相詰罷有候御役人様
ニ者外御用之趣沢山而音楽斗

御用而相詰不申由市中之もの共
御用之義者不存音楽一筋と差
心得沖ノ口門より弁天町山田寿兵衛
近所迄門前市を成か如くに集
候得共折あしく朝五ツ半頃より雨天
ニ而べろりくわんと九ツ時迄待受候甲
斐なく上陸なし外アメリ人二三人上陸

  1. 屋号。
  2. 鶏蛋か?
  3. 屋号。
  4. ポーハタン号

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