亜墨利加一条写

亜墨利加一条写021
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-021)

候間一切目かゝらぬ様悉く蔵入いたし
ても店先差置申間鋪尤売買之
節者蔵内而取扱可申事
 但滞船中居酒屋一切停止之事
一 呉服店小間物店等者取片付置可申尤
餅菓子其外草履草鞋等之売物者
店先差置候而も不苦候得共彼等之望候者
不与候得者不本意存自然角立候様之義
有之候而者以之外之事候間食物不限

差支無之品者無心いたし候ハゝ相与可申
若返礼いたし候ハゝ一応者差戻差出
候様子候ハゝ其品預置早々町役所差出
可申候遣しかたき大切之品者急度隠
可申候
一 異国船湊出入之節土地之様子を試候ため
抔し発砲いたし候義も有之趣付而者ア
メリカ船迚も同様発砲いたし候義
有之候間此段兼而心得居万一右様之義
有之候とも一同しつまり居可申若心得

亜墨利加一条写022
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-022)

違いたし騒立候もの無之様下々之もの共
迄能々相諭可申候
一 市中端々至迄海面見渡之住居向者
何れも戸障子急度締を付建合之隙
者目張等いたし置決而覗見いた寸間鋪候
若万一心得違いたし二階梯子煙出
より沖合又者異人上陸等いたし候節差
覗候もの有之おいてハ召捕入牢可申付候
一 火の元之義者触達候迄無之何れも
心を用候義者候得共猶また一際念入

可申且夜分ハ無提灯而往来不相成候間
小前下々江も申付異船滞留中ハ別
取締向行届候様可致候
一 年回仏事等相当り候とも異船滞留
中者差延可申且万一新喪有之候節
者葬具等格別手軽いたし男子
而夜分物静に墓所葬送
可致候追善茂右穏便相営
可申候
一 異船滞留中者観音薬師愛宕

亜墨利加一条写023
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-023)

七面等之山々有之候神仏参詣いたし
候義堅く御差留被 仰出候
一 音曲所作いたし候もの而も異船滞留中
者堅く御差止被 仰出候
一 異船滞留中市中おいて不取留
風説等堅くいたす間鋪候右之通被 
仰出候条堅く相守下々至迄相諭可申
若心得違之もの於有之者当人者不及申
名主年寄町代親類組合迄急度御咎
被 仰付候間其旨相心得厳敷可申付

右之趣在町不残様可被相触候
 四月
右之趣被 仰出候間此段相触候
 寅四月六日夜写

亜墨利加一条写024
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-024)

四月七日如此御触有之一同左に心得山付
在辺所縁有之候族牛馬相頼飯料ハ
不申及夫々道具付出し候所舛形
町方差留牛馬道具至迄差返し申候
是迄引越候分者無余儀次第被仰候
得共度々之御触候得ハ御法
同然存手配いたし候分無汰相成
御上様茂格別之御取込恐なから奉存候

亜墨利加御用中町代中割羽織
帯刀御免町々組頭アメリカ人上陸
股引半天而警固外警固之もの
町々沢山有之候得共名前役分不知
組頭共ニ何れも帯刀御免
四月三日より浜手囲方日々御見廻
同十五日迄漸く間合申候

亜墨利加一条写025
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-025)

四月十五日巳之上刻アメリ船三艘汐首
相見へ候趣汐首より乗切参
兼而御用意之櫓鐘御役所より打出し
夫より七面山之櫓鐘又者御殿山櫓鐘
打出し市中受付判木打出し兼而
アメリカ舟当澗候様承知いたし居
候得共市中騒々敷相成在々引越

候ものも有之又者戸締付候族有之
御役人中者夫々役場相守厳重不申及
且又見物之もの有之哉も難斗候趣
辻権三郎様申御役人市中端々至迄
早馬に乗掛廻万一うろんのもの有之
おいてハ無用捨鞭而打其ものの名前
等聞尋し厳重之御役柄ニ候其後

亜墨利加一条写026
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-026)

町内警固之もの壱両人相咎候付知と不宜候
町々噂有之候得共誤不相成儀存候
十六日遊船両艘而山背泊より澗のうち
測量いたし夫より十七人程沖之口上陸
市中しらせ之鉄棒相曳候付家並
戸障子付候得共猥徘徊なし
十六日夜五ツ時より未申風而時化

十七日三艘とも澗掛委しくハ後之図
出し十八日十九日廿日所々橋舟
乗廻候得共町々上陸なし御殿山
備置櫓鐘取払
〃廿日巳之中刻火舟美士■ 12鮑丹 3
両艘澗入いたし候得共先三艘之時より
市中不騒御合図茂無之候

亜墨利加一条写027
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-027)

同廿二日弁天町山田屋寿兵衛宅大将体
之もの付添アンタムス申通辞都合
七人上陸大将体之もの彼ベロリ成り
其時之応接役御奉行工藤茂五郎様
外御役人様山田寿兵衛宅罷有候得共
応接不出夫々御座鋪相扣候趣
彼等御馳走被下候右之応接方

何とか相済候哉し寸夫より七人之もの
山田より出高龍寺へ参り直様町通
相掛実行寺元舟候様
候所六人連而又々山田より出かけ
弁天町大町内澗町段々見廻夫より
鎮守八幡宮へ参詣いたし同宮神主
居宅前通かかり大工町辺

亜墨利加一条写028
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-028)

大三之坂下り内澗町一○店
立寄莨一二服呑む程間取其時
兼而御触出し法度之酒樽有之候趣
然共彼等望無之候由夫より御役所ノ
坂より上寺町通見廻し山之上町
三〼上田屋稲蔵宅立寄住吉屋
前通相掛山背泊御台場候趣

夫より山田屋元舟
其時之警固御足軽町名主両人村田
林八様代嶋剛平様高橋七郎左衛門様
其外町々締方五六人
〃廿ニ日何等之義候哉舛形三尺
四面斗之白キ籏壱本相立又壱本木
より向黒手之籏壱本都合有川辺迄

亜墨利加一条写029
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-029)

五本相立同日夕方茂辺地上陸致
何れより伐出寸候哉余程之木壱本
相立夫白キもの塗置候趣引網之義者
入舟より日々亀田浜罷出小肴扨外
ハマクリ蜊等取上候趣其節知と不相済
御仁も有之由候得共後日無其沙汰
引網之義者有川辺迄滞舟中有之

廿三日上陸いたし候得共自業之義
無之少々宛買もの等いたし候上陸
之人数四五十人
廿四日上陸之人数廿三日同様買ものゝ
義者店方へ彼等我儘入込候得共
警固方不咎店先者不申及奥座鋪
迄も土足而歩行不行義申斗も無之候
全体彼等国風と見得た利

亜墨利加一条写030
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-030)

然共同日おいて乱妨間鋪事無し
当時内澗町おいて■ 4松屋勇吉と
申もの住居いたし木綿荒物類其外
秩父紅等有之候付而者アメリカ人
通行いたし候もの不残入込木綿類者
買取不申候得共外品余程買取候間
夫より宮川屋利三郎申もの店も買入モノ

いたし候兼而御触書右様之品
置候様と之御沙汰候得共如何心得
候哉如此御上様より御咎茂無之候夫より
荒物店太物店方さまゝ之品
買取候決而一品成共貰不申
廿五日上陸之人数五六十人程廿四日
同様之買もの弁天町大町其外町之

  1. 偏「𠂤」つくり「辛」。ママ。
  2. ミシシッピ号
  3. ポーハタン号
  4. 屋号。「八」の下に「●」。

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