真言寺と不動明王立像
函館市
真言寺は、文久年間(1861年~1864年)、僧 寛純により創立されたといわれる。
この寺の主仏である不動明王は日常開帳されていない。
高さ36センチメートルの木彫の仏像で、作者・制作年代は不詳であるが古く立派なものであり、市の文化財に指定されている。
当時は盛り場が近くにあり、花柳界その他の人々から不動明王の寺として信仰を集めたという。
The Shingonji Temple and the Statue of Fudomyo-o
CITY OF HAKODATE
The Shingonji Temple is said to have been established during the Bunkyu years (1861~1864) by a priest named Kanjun.
The temple’s main Buddhist image is a 36 cm tall wooden statue of Fudomyo-o (the deity Acala); it is not normally exhibited. Although its creator and the year of production are not known, it is regarded as considerably old and skillfully crafted.
The statue is designated an important cultural property of the city.
There used to be an entertainment area nearby and during that time the temple was popular among geisha and the like.
函館市指定有形文化財 不動明王立像
昭和四十六年十一月十七日 社団法人函館文化会
所在地 函館市船見町二十番二十号 天台宗成田山真言寺
形態 木像三六・三センチメートル作者不詳
指定年月日 昭和三十八年十一月三日
所有者 天台宗成田山真言寺
この寺の創設について寺伝にいろいろ言はれているが函館区史に真言寺(天台宗)文久元年(一八六八)天神町に創立す本山延暦寺末なり明治四年(一八七一)火災に罹り台町(現在地)に代理を得て六年後移転すとあるから文久時代の創立である不動明王は大日如来の教令を受けて魔軍を撃退し災害悪毒をのぞき煩悩を断ち切り諸願を満足せらその姿経典や時代によって異るが一般的には右手に利剣を持ち左手にはなわを持ち岩上立つて火炎に包まれ怒り形想を表わしているこれに二童子がまつわるものもある又この尊像が本寺に至った経路については寺伝いろいろあるがそれは作者年代と共に今後の研究に待たねばならないよし作者は判らなくても相当古い仏像で非常に立派な制作であることは明かである本尊像は本寺の主仏で日常開帳していない本寺は幕末明治時代は盛り場に近く多くの人から不動明王のお寺として長い間信仰を集めた
『函館区史』の記載は以下のとおりで、明治4年に火災に遭い台町に代地を得て明治6年に移転した、とある。上記の「代理を得て」は「代地を得て」の、「六年後移転す」は「六年移転す」の誤り。
真言寺(真言宗) 文久元年天神町に創立す本山延暦寺末なり。明治四年火災に罹り台町に代地を得て六年移転す。
『函館区史』(函館区、明治44年)p.763
参考
- 「函館市指定文化財 2」、函館市、閲覧日:2021年11月21日
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