文字は一緒でも時代によって意味が全く異なる場合がある。今の解釈で史料を読むと理解を誤る。
志海苔古銭についても言及有り(p.184-185)。
目次
- 1 「日本」という国名
- 歴史と言葉
- 国名が決まった時
- 倭人と日本人
- 日出づるところ
- 2 列島の多様な地域
- 日本国の範囲
- すべての帝国は道を作る
- 日本は孤立した島国ではない
- 平将門の新国家
- 3 地域名の誕生
- 「関東」と「関西」
- 自立していく九州
- 広域的地名と神仏
- 気づかれていない地域意識
- 4 「普通の人々」の呼称
- 「人民」と「国民」
- 手垢にまみれない言葉
- 柳田学と渋沢学
- 納税の義務を負う「平民」
- 「土」が意味するもの
- 5 誤解された「百姓」
- 「ひゃくしょう」と「ひゃくせい」
- さまざまな生業の「百姓」
- 多様な人々を指す言葉
- 一変した江戸時代像
- 誤解は江戸時代から
- 「農」の陰に隠れたもの
- 農本主義と重商主義
- 貧困な歴史学の用語
- 6 不自由民と職能民
- 古代・中世の不自由民
- 「奉公人」の出現
- 博奕の道、好色の道
- 聖なるものの直属民
- 7 被差別民の呼称
- 差別意識の東と西
- ケガレにどう対処するか
- 伝染するケガレ
- ケガレのキヨメ
- 非人・放免という職能民
- 死とのかかわり方
- ケガレから汚穢へ
- 差別される人々
- 今後の課題
- 8 商業用語について
- 商業取引の高度な伝統
- 市はどこに立てられたか
- 「手形」と「切符」の誕生
- 「手」は何を意味するか
- 聖なる金融から、俗なる金融へ
- 「接待」と「談合」の歴史
- 9 日常用語の中から
- 誰のものでもない「落とし物」
- 神の意思を集約した「落書」
- 土の中は異界だった
- 「募る」の三つの意味
- 「がいな」と「あたん」
- 中世における「自由」とは
- 失われた日本語の豊かさ
- 10 あとがき
- 解説 與那覇潤
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